【特集】ライブアライブのリメイクのニュースを、海外はどのように報じたのか?

全般

ライブアライブのリメイクのビッグニュースは、国内のファンのみではなく、海外でも大きな話題となったことをご存じでしょうか?ここでは、ライブアライブという作品が海外でどのような立ち位置にあったのかその生い立ちと現在に至るリメイク対する反響を、海外のニュース記事を交えて紹介します。

まずは、海外から見たライブアライブについてお話します。


ライブアライブは海外で発売されたのか?

英語版Wikipedia ライブアライブのページ

現在はもちろん、スクウェアは大昔から多くのゲームを海外でリリースしてきました。かの有名なファイナルファンタジー、クロノトリガーなども海外向けにローカライズされ、多くのユーザーから高評価を得ています。
しかしながら、我らがライブアライブは、海外で発売されることはありませんでした。海外の記事によるとリリース予定されてはいたようなのですが[1]GamePro “The 14 Best Unreleased JRPGs”、計画は頓挫し、海外のゲーマーたちに正式な形で届くことは叶いませんでした。

いかにして海を渡ったのか?

では、どのようにしてライブアライブは海外で知られるようになったのでしょうか?
あまり褒められた経緯ではありませんが、この影には「Aeon Genesis」という海外のROM翻訳チームの存在がありました。このチームはローカライズされていない日本のゲームを非公式に解析・翻訳し、ROMパッチを制作しているオンラインチームです。[2]Aeon Genesis
彼らは、2001年10月から制作に着手し、2008年に「2.0 Deluxe」と名を付けて翻訳パッチをリリースしました。この翻訳のクオリティは極めて高く、英語版のWikipediaに載るほどの有名な立ち位置となり[3]Wikipedia LIVE A LIVE、ライブアライブは非公式でありながらも根強いファンを持つ作品へと成長していきます。[4]noisypixel Why Live A Live Matters; A Tale of Splendid Fan Translation & Determined Unity

マイナーな話題作、というゲーム

海外のYoutube検索結果 プレイ動画が多数

こうした経緯から、海外のゲーマーにとってライブアライブとは、一般人であれば「全く名の知らない作品」、コアなゲーマーであれば「非公式ならプレイできる名作」と二分されています。
例えば、大ヒットしたインディーズゲーム「Undertale」の作成者であるToby Foxもライブアライブに影響を受けていることを明かしており、その有名な楽曲「MEGALOVANIA」にも垣間見ることが出来ます。[5]Undertale Wiki MEGALOVANIA
SNSやYoutubeなどのライブ配信が発達し、インターネットでの情報共有が盛んになり、ますますその存在感が高まる一方で[6]noisypixel Why Live A Live Matters; A Tale of Splendid Fan Translation & Determined Unity、ローカライズされていない本作はいつまでも海外でプレイするには「非公式」という立場は拭うことは出来ませんでした。
それゆえに、海外のファンはリメイク(と、そのローカライズ)を心の底から切望していました。


つまり、ライブアライブは「プレイできないが、知る人ぞ知るゲーム」だったんだね。

だからこそ、海外ローカライズでのリメイク発表のニュース記事は他のゲームより話題性が異なっています。


【ニュース記事①】何故、欧米で話題となっているのか?

タイトルは『何故、ライブアライブのリメイクが欧米で話題となっているのか?』。
この記事はDualShockerstという、ゲームニュースを中心に記事やレビューなどを行っているコンテンツサイトが執筆したものです。

この記事は、今まで日本国内ではバーチャルコンソール等での移植はあったものの、海外での販売までには至らなかったことに触れ、それでも海外のファン達がリメイクと英語ローカライズを希望する声が続いたおかげで、この度の発表に繋がった、と述べており、その貢献には非公式でありながらも有志の翻訳もあったと触れています。
そしてなによりも嬉しい言葉が「何十年も待っていたJRPGファンにとって歴史的な瞬間です。」と断言しています。

【ニュース記事②】欧米での発売が大ニュースである理由とは?

タイトルは『ライブアライブが欧米で発売されるのは、とても大きなことです。その理由は以下の通りです』
この記事はRPG Siteという、RPGを中心としたニュース等を取り扱うメディアサイトにおいて執筆されたものです。

この記事は、前置きとして「このリメイクのニュースは、ほとんどの人にとって響いてこないだろう。ライブアライブは、聞いたことのない、または聞いたことはあるがプレイしたことのない日本のRPGという認識だろう」としたうえで、「しかし、海外においても特定の層は大興奮と熱狂に包まれている」と述べています。そして、何故このゲームが多くの人の心を掴んで離さないのか愛を持って丁寧に説明をしています。
そして最後に「スクウェアのRPGの歴史の重要なページが遂にリメイクで欧米にやってくる」と締めくくっています。

【ニュース記事③】無名RPGライブアライブの驚くべき真実

タイトルは『スクウェアの無名RPG「ライブアライブ」にまつわる6つのワイルドな事実』
この記事はinverseという、ゲーム問わず幅広い分野を取り扱うメディアサイトにおいて執筆されたものです。

この記事は、ライブアライブは「過去30年間で最も影響力のあるJRPGの1つであり続けている」と銘打ち、この作品に関する6つの情報を挙げています。
実はオクトパストラベラーよりも前に制作されたオムニバス形式であること、複数のマンガ家がイラストをデザインしたこと、開発者の一人は有名な作品を手掛けた人物であること、作曲は下村陽子氏が初めて手掛けた作品であること、Toby Foxもこの作品に影響を受けていること、そして最後に、それにも拘らず商業的には大成しなかったこと…を説明しています。
そして印象的な言葉が「過去の販売数が少ないにも関わらず、数十年にわたって熱心なファンが徐々に増え、そしてリメイクに至ったことは驚くべきものである」とファンの根強い人気を評価しています。

【ニュース記事④】今、話題となっているライブアライブとは?

タイトルは『Live A Liveとは何か、そしてなぜNintendo Directへの登場が大きな話題になったのか?』
この記事はThe Mary Sueという、女性向けにポップカルチャーに関する記事を取り扱う取り扱うメディアサイトにおいて執筆されたものです。

まず、ライブアライブとはいかなる作品であるか紹介しています。ほぼ同時期に発売されたファイナルファンタジー6と比較すると、売上は低調だったが、時間の経過とともに素晴らしさが語り継がれたゲームであり、また「その1年後にクロノ・トリガーを共同監督する男のデビュー作」として、JRPGの歴史の中で興味深い作品と述べています。
そして、「今回のリメイクはとても興味深い前例となる」ともコメントしています。その理由は、今までフルリメイクかつボイスまで搭載されたリメイクは過去にも例が少なく極めて特別待遇であること、しかも本作はHD-2Dスタイルでのリメイクの先駆けとなり、今後のスクウェア・エニックスのリメイクの方向性に大きく影響を及ぼすと予想されるからである、と期待を寄せる記事となっています。

【ニュース記事⑤】伝説のゲームが過去より甦った

タイトルは『ライブ・ア・ライブ:伝説のスーパーファミコンのゲーム、暗い過去から再浮上』
この記事が掲載されているEveryeye.itはイタリア(!)のコンピュータゲーム業界の報道を目的として設立されたポータルサイトで、イタリアで最も訪問されているサイトの一つです。

ライブアライブが誕生した時代背景から丁寧に説明されています。
当時のスクウェアは、1990年代のゲームシーン全体の中で最も素晴らしい企業でしたが、欧米展開においては現在ほどオープンな市場環境ではなかった、と記載されています。
さらにライブアライブが欧米展開に選ばれなかった2つの理由にも触れられています。
ファイナルファンタジーVIの成功により、スクウェアは海外展開に注目するようになったのですが、ライブアライブは革新的すぎる事と同時期の他のタイトルよりも売り上げが少なかった(FFやクロノトリガーがライバルでは仕方がないですね……)、複数のマンガ家が参加したライセンスであったため非常に複雑な状況であった、と説明しています。しかしそれでも、1994年から今日まで、根強いファンのコミュニティ、優れたアマチュア翻訳のおかげで生き残った、と補足しています。
最後に、このライブアライブのリメイクを機会に、業界全体が過去に埋もれた名作を掘り起こしてく可能性があるのでは…と期待を寄せているようです。


これらの記事に共通しているのは、長い期間、ファンが愛し続けたことは国内外変わらないという事ですね。

リメイクが発売された暁には、海外の人とも一緒に感動を共有したいね。

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