ライブアライブBGM特集の第3弾です。
今回は中世編のフィールド曲「届かぬ翼」を取り上げたいと思います。王道的なRPGの曲でありながらも、今後の展開を暗示するようなもの悲し気な旋律は、ファンの中でも人気の高いBGMの一つです。普段のプレイでは気付かない、曲自体や使用されるシーン等に焦点を当ててを探ってみたいと思います。
フィールド曲
ご存じの通り、「届かぬ翼」は主に中世編のフィールド曲として使用されています。
他のシナリオにおいて流れるフィールド曲とは一線を画しており、中世編のシナリオが進む毎にプレイヤーがBGMに対して受ける印象が大幅に変わっていく特徴があります。
剣と魔法のファンタジーらしくフルートや弦楽器を用いた旋律なので、序盤は定番のRPGのBGMとして受け入れやすいでしょう。
しかしストーリーの中盤以降、シナリオは王道から道を外し、足元が崩れ去っていくかのように哀愁がより強調されて行きます。
そして終盤に差し掛かり、ついに「届かぬ翼」はフィールド曲としてその姿を消します。
2つのエンディング
ご存じの通り、ライブアライブはマルチエンディングを採用しています。最終編においては大きく分けて4つのエンディングが存在します。
【ARMAGEDDON】オルステッドを選択し、ハルマゲドンを選択する
【TRUE END】オルステッド以外のキャラクターが、仲間全員と各ボスに勝利する
【NEVER END】オルステッドを選択し、他キャラクターに勝利する
【SAD END】オルステッド以外のキャラクターが、オルステッドに止めを刺す
さて、この4つのエンディングの中で「届かぬ翼」は、下二つの「NEVER END」と「SAD END」のエンディング曲に使用されます。
この2つのエンディングは、オルステッド視点としての物語の結末であることに注目して下さい。
「NEVER END」は、オルステッドとして他キャラクターに勝利をした結末。
「SAD END」は、魔王オディオを解かれたオルステッドが他キャラクターに敗北した結末。
つまり、「届かぬ翼」は最初から最後まで、中世編(=オルステッドの物語)を象徴した曲であることが分かります。
もう一つの「届かぬ翼」
実はこのBGM、本編において、通常のフィールド曲以外にアレンジVerが存在します。
濡れ衣を着せられたオルステッドが、獄中で回想するアリシアとの思い出のシーンにおいて、通常の「届かぬ翼」と異なる、少しアレンジされた「届かぬ翼」が流れます。
以下に、「通常Ver」と「アレンジVer」の比較動画を作成しましたので、ぜひ聴き比べて見て下さい。
なお、「アレンジVer」が流れる獄中シーン以降、中世編で「届かぬ翼」が流れることはありません。
以降のフィールド曲は「魔王への叙曲」へと切り替わります。
そして、次にプレイヤーが「届かぬ翼」を聴く機会があるシーンは、「NEVER END」もしくは「SAD END」のバッドエンディングのみです。
オディオに取り込まれた翼
中世編の象徴するこのBGMですが、実はラスボス戦「ILLUSION…」にも一部メロディが使用されていたのはお気付きだったでしょうか?
また、この「ILLUSION…」の構成はユニークで、各シナリオのボス戦前BGM「魔王オディオ」のメロディも取り入れられています。
これは最終編が中世編の地続きであり、魔王オディオの中にオルステッドが内在していることを示すかのようです。
以下に、そのメロディの検証動画を作成しましたので、ぜひ確認してみて下さい。
そう言えば、ラスボス戦の核となるオディオモールにも翼が生えていますね。
そして、最終形態でのピュアオディオに至っては完全に翼を広げています。なお、BGMは「魔王オディオ」を大幅にアレンジした「PURE ODIO」。
もはや「届かぬ翼」は見る影もありません。
最後に
今回は中世編の「届かぬ翼」のスポットを当ててみました。
アレンジや他の曲に紛れていたりなど、中世編の悲しき運命を象徴し、また中世編~最終編を結ぶ重要な役割を担っている曲でもありました。
実は、ライブアライブにはこうしたBGMの一部を他のBGMの一部に引用する手法がいくつか見受けられます。これについてもまたの機会に記事を書こうと思います。
それではまた。
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