ライブアライブを語るうえで欠かせないのがBGM「LIVE・A・LIVE」です。ゲームタイトルの冠を付けるだけあって、オープニングの曲でありながら、最終編の通常戦闘曲であり、そして複数のアレンジを持っている、まさにテーマ曲にふさわしい楽曲ですね。今回は「LIVE・A・LIVE」という楽曲を探ってみたいと思います。
アレンジを含む登場回数
そもそも、「LIVE・A・LIVE」は各シナリオでどれくらい使用されるのでしょうか?
「CRY・A・LIVE」「WARM・A・LIVE」の2つのアレンジ楽曲と併せて登場回数を集計してみましょう。
原始編
LIVE・A・LIVE | 0回 | なし |
CRY・A・LIVE | 1回 | ・集落を追い出されたとき |
WARM・A・LIVE | 2回 | ・ポゴの夢の中(追い出されたあと) ・ポゴの夢の中(罠に落ちたとき) |
「WARM・A・LIVE」をギャグテイストに用いているのが特徴的ですね。
「CRY・A・LIVE」は一時的ではあるものの、マップBGMにも使われていることに注目。
幕末編
LIVE・A・LIVE | 0回 | なし |
CRY・A・LIVE | 0回 | なし |
WARM・A・LIVE | 0回 | なし |
ひたすら城を攻略するシナリオゆえか、曲の使用はありませんでした。
いくつかイベントはあるものの、無音での表現で忍びらしさを演出。
功夫編
LIVE・A・LIVE | 0回 | なし |
CRY・A・LIVE | 1回 | ・義破門団が稽古場に襲撃後 (その後の個別のイベント含む) |
WARM・A・LIVE | 1回 | ・オディワン・リーに勝利後の会話 |
印象的なシーンにバランスよく使われていました。
「CRY・A・LIVE」が流れるシーンは、とても衝撃でしたね。
西部編
LIVE・A・LIVE | 0回 | なし |
CRY・A・LIVE | 0回 | なし |
WARM・A・LIVE | 1回 | ・住民との別れの場面 |
エンディングにて、効果的に使われていました。
住民と心が通ったような爽快感のある締まり方ですね。
現代編
LIVE・A・LIVE | 0回 | なし |
CRY・A・LIVE | 0回 | なし |
WARM・A・LIVE | 0回 | なし |
BGM?
そんなことより筋トレだ。
近未来編
LIVE・A・LIVE | 0回 | なし |
CRY・A・LIVE | 2回 | ・カオリが液体人間を望む場面 ・無法松の回想シーン及び絶命の場面 |
WARM・A・LIVE | 1回 | ・ブリキ大王の出動前のカップルが告白する場面 |
ドラマチックなシナリオなおかげで使用回数は多め。
原始編と同じく「WARM・A・LIVE」はギャグシーンに使われてます。
SF編
LIVE・A・LIVE | 0回 | なし |
CRY・A・LIVE | 1回 | ・バトル後、伍長との会話及びエンドロール |
WARM・A・LIVE | 0回 | なし |
静寂がウリのシナリオの中で、唯一「CRY・A・LIVE」がエンドロールで登場。
哀愁を際立たせています。
中世編
LIVE・A・LIVE | 1回 | ・オープニング及び初回戦闘曲 |
CRY・A・LIVE | 5回 | ・テラスでアリシアが攫われる回想シーン ・ウラヌスがハッシュとの過去を話す場面 ・ウラヌスがハッシュを叱咤する場面 ・魔王戦闘後、ハッシュが事切れる場面 ・冤罪を受け、城から追われたあとのマップ及び戦闘曲 |
WARM・A・LIVE | 1回 | ・テラスでアリシアと言葉を交わす場面 |
さすが中世編!といったところ。万遍なく使われていました。
そして何よりも驚きなのが「LIVE・A・LIVE」が戦闘曲としても使用されています。
プレイヤーと出会うのは?
先述の集計を踏まえると、プレイヤーが順当にシナリオを進めた場合、最終編を迎えるまでに「LIVE・A・LIVE」のBGMに出会えるのは、たったの2回です。
それも、「ゲームのオープニング」と「中世編のオープニング」のみの為、ゲームのオープニングを飛ばすプレイヤーにとっては、中世編が初めての出会いとなります。
ですが、プレイヤーはそれまでにアレンジされた「CRY・A・LIVE」と「WARM・A・LIVE」を何度も聴いている筈ですので、「本編のどこかで聞き覚えがある」という印象を与えられる仕掛けが組まれている事が分かります。
テーマ曲としての位置づけ
不思議な逆転現象ですが、テーマ曲でありながら、最終編までは登場時順位・登場回数ともにアレンジ曲の方が圧倒的に多く、
各シナリオにおいてアレンジ曲で布石を打ち続けてた上での、最終編の戦闘曲として登場するという、非常に贅沢なお膳立てを用意された楽曲です。
最終編はゲーム本編において、もっとも戦闘回数が多いシナリオです。だからこそ、テーマ曲=戦闘曲と符号を合わせることで、その印象を色濃くさせ、改めてテーマ曲という存在感を主張することが出来ています。
「絶望の都」との関係
最終編における「LIVE・A・LIVE」は、戦闘曲のみでなくフィールド曲「絶望の都」においても登場します。
この「絶望の都」に忍ばせている「LIVE・A・LIVE」は、曲の中盤(0:31頃)から徐々に主旋律を奪って行き、後半には全ての旋律を包括し、また静かに次のループへ繋げます。
魔王オディオに滅ぼされた「絶望の都」(=ルクレチア王国)という曲名とは裏腹に、まるで「LIVE・A・LIVE」(=主人公たち)が僅かな希望を垣間見せているようです。
主題がもたらすストーリー
「LIVE・A・LIVE」の軸は極めて一貫しています。本編のターニングポイントで必ず登場し、まるで刷り込みのようにプレイヤーの感情を揺さぶり、強烈な印象を植え付けることに成功しています。
プレイ順に「LIVE・A・LIVE」の楽曲を追うと、その主題としての一貫性が分かると思います。
どうでしょうか?
非常にストーリー性のある楽曲だと思いませんか?
また、この植え付けこそが強力なミスリードを産んでいるのですが、それはまた別の機会に。
最後に
今回はライブアライブのBGM、それも「LIVE・A・LIVE」に的を絞って取り上げてみました。
単純に楽曲としての素晴らしさもさることながら、絶妙な使いどころが人気の要因ではないかと思っています。
リメイク版の「LIVE・A・LIVE」は一足先に公式サイトでも視聴できますので、この機会に聞き比べるのも楽しいかもしれませんね。
それではまた。
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