今回のリメイク版において、ひとつ大きな改革が図られています。我々、日本人はあまり意識していませんが、今回は初めて海外向けにローカライズされて開発されています。
実はオリジナル版は海外では発売されていなかったんですね。だからこそ、公式による国内との違いもファンならチェックすべきでしょう。
きっと新たな発見があるかもしれません。
各編の英語表記は?
海外版のトレーラーから、各編の海外表記を確認することできます。
個性豊かなシナリオをどのような形でネーミングしているのでしょうか?
原始編
原始編は、Prehistoryと表記されています。
直訳すると「先史時代」。有史時代以前の歴史区分に当たり、文字を使用する前の人類の歴史とされています。まさにピッタリなネーミングですね。
幕末編
幕末編は、Twilight of Edo Japanと表記されています。
和訳すると「江戸時代の黄昏」と言ったところでしょうか。単純に「BAKUMATSU」を使わず、黄昏と言う表現が日本の夜明けを予感させていて、とても幕末編の雰囲気に合っていますね。
功夫編
功夫編は、Imperial Chinaと表記されています。
直訳すると「中国帝国」ですが、海外のWikipedia[1]History of Chinaによると、秦の始皇帝が紀元前221年に「皇帝」を宣言し、1911年に清の最終皇帝が退位するまで時代を、慣用的に「Imperial China」と呼んでいるそうです。
西部編
西部編は、The Wild Westと表記されています。
和訳は「西部開拓時代」ですね。海外の方にも馴染みのあるネーミングですが、一般的に1865年の南北戦争の終わりから1890年の国勢調査局による開拓の終了までの間に起こった期間[2]American frontierであると歴史家によって定義されているようです。
現代編
現代編は、Present Dayと表記されています。
和訳はそのまま「現代」です。この単語は海外のWikipedia[3]Present dayでも明確に記されており、現在を取り巻くおおよその期間を表すために使用される言葉のようです。
近未来編
近未来編は、The Near Futurerと表記されています。
和訳はズバリ「近未来」。近未来編は、巨大ロボットや超能力、さらには昭和の雰囲気など様々なモチーフが包括されているので英訳は難しいと思っていましたが、ストレートなローカライズでした。
SF編
SF編は、The Distant Futureと表記されています。
和訳すると「遠い未来」です。近未来編のThe Near Futureと対なるようなネーミングですね。意外にもSFの語源である「Science Fiction」という単語を使っていませんが、他の編と同じように時間軸を元にした名称に統一するために避けたのかもしれませんね。
中世編
中世編は、The Middle Agesと表記されています。
和訳では「中世」です。英語圏での言葉の定義[4]Middle Agesとしては、5世紀から15世紀(476〜1453年頃)に及ぶヨーロッパの歴史の期間を指します。ただし、ライブアライブにおける中世編は、剣と魔法の世界ですので、創作物としての中世として割り切っているようです。
一覧でまとめると
国内 | 海外ローカライズ | 翻訳 |
原始編 | Prehistory | 先史時代 |
幕末編 | Twilight of Edo Japan | 江戸時代の黄昏 |
功夫編 | Imperial China | 中国帝国 |
西部編 | The Wild West | 西部 |
現代編 | Present Day | 現代 |
近未来編 | The Near Futurer | 近未来 |
SF編 | The Distant Future | 遠未来 |
中世編 | The Middle Ages | 中世 |
海外ローカライズは、舞台のイメージよりも時間軸に主観を置いてネーミングがなされていますね。
台詞や単語
日本語ならではの表現を、海外に向けてどのようにローカライズしたのでしょうか?
分かる範囲で気になる演出を拾ってみました。
あいぃ~~~ッ!
おぼろ丸とポゴが対峙する場面。ここでポゴは「I…!」と声を漏らしていますね。本家では「あ…!」の表現であったことから、「あい」と「I(アイ)」に読み替えていることが分かります。
元々「あいぃ~~~ッ!」は「愛」とも表現できることから、シナリオ上でもそれを連想するやり取りが見受けられましたが、海外ローカライズでは「I(アイ=個)」であることの芽生えを象徴する表現にしているのでしょうか?
登場人物などの名前
ライブアライブでは、個性的なネーミングが数多く登場しますね。
海外では一般的ではない名称を、同じニュアンスに留めたままどのようにリネームしたのかにも注目してみましょう。
とらわれの男
とらわれの男は、The Prisonerと名付けられています。
和訳はそのまま「囚人」です。国内版同様、名前でネタバレにはならないように配慮がされていますね。彼の土佐弁がどのように英語表記されているかも気になるところです。
心山拳老師
心山拳老師は、The Earthen Heart Shifuと名付けられています。
翻訳が難しいですが、恐らく「Earthen Heart」が大地の心…つまりこれが心山拳に相当する拳法名でしょう。そして、「Shifu」が師父と読み取ることが出来ます。
無法松
無法松は、Lawlessと名付けられています。
なんと「無法」という意味です。元々、無法松には、「マツイケンイチ」という本名があり、愛称として呼ばれていますが、海外版においても同様に、ニックネームとして破天荒な名前が与えられたようです。
通りすがりの…たい焼き屋サンよ!
海外版のショートトレーラーでは以下のセリフとなっていました。
Who am I ? Isn’t obvious ? I’m a local business man !
[Lawless]
直訳すると「私は誰?明らかではありませんか?私は地元のビジネスマンです!」となります(笑)。たい焼き屋という名称は海外版向けに省略されているのかもしれませんね。
ブリキ大王
ブリキ大王は、The Steel Titanと名付けられています。
和訳は「鋼鉄の巨人」。実はブリキはオランダ語なので海外では馴染みのない言葉。そのままの名前を踏襲せず、イメージしやすい名前に変更となったのだと思います。確かにブリキの主材料は鋼鉄なので間違いでは無いですが、妙に格好よくなりましたね。
SF編は登場人物がフルネームに!
SF編では、4名のキャラクターがフルネームで紹介されています。
レイチェルは、Rachel Klein(レイチェル・クライン)。
カトゥーは、Yoshiyuki Kato(ヨシユキ・カトー)。
カークは、Kirk Wells(カーク・ウェルズ)。
ヒューイは、Huey Trumbull(ヒューイ・トランブル)。
ローカライズというより、国内版では明かされていなかったフルネームが名付けられていますね。
ちなみにダース伍長はそのままCorporal Dartheでした。
最後に
今回は、リメイク版におけるローカライズに注目してみました。
海外の方にいかに国内版と同じイメージを伝えることができるか、クリエイターの苦労と試行錯誤が伺えますね。
以下の記事で、海外の反応も取り上げています。
ライブアライブが世界からどれだけ期待されているか、ぜひ見てみましょう。
それでは!
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